ICAT:人工現実感とテレイグジスタンス国際会議

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ICAT (International Conference on Artificial Reality and Telexistence) は、その名のとおり人工現実感とテレイグジスタンスに関する国際会議で、1991年の7月に我が国において第1回が開催されました。当時は、まだ日本バーチャルリアリティ学会も存在せず、VRが社会展開や産業応用だけではなく、学術としての確立をも模索していた、まさにVRの黎明期でした。(社)日本工業技術振興協会に1990年に発足したVRの研究者や技術者が集まる日本で当時は唯一の学術と産業応用に関する研究会である「人工現実感とテレイグジスタンス研究会」のアカデミックな活動を日本経済新聞社が支援する形で、国際会議の開催を計画したことに端を発しています。

研究会の委員長であった舘 暲たち すすむと、研究会の当時の事務局の石川信治、日経の帰山健一の三者により日本発の国際会議が企画され、廣瀬通孝をはじめとした研究会委員の委員の協力により現実のものとなりました。第l回は、1991年の7月9日と10日、東京流通センター・アールンホールにおいて開催されたのです。世界的にみてもVRの国際会議が組織的には開催されていなかったことから、この会議には日本開催にもかかわらず、海外から多くの著名な研究者やスタートアップ企業のCEOなどが多数参加しました

因みに、1991年と1992年は、この ICAT国際会議に付随してVRの製品展示会が開催され、これまた好評を博しました。この展示会を母体として、1993年からは、リードエグジビション社と一緒に「産業用バーチャルリアリティ展(IVR)」としてさらに大規模な展示会へと展開されていきます。一方、展示会にかわる企画として、この分野の将来を担う人材育成のためのバーチャルリアリティコンテスト IVRC が1993年から開始されて今日に至っています。

第1回の成功に励まされ毎年ICATを、人工現実感とテレイグジスタンス研究委員会が、日本経済新聞社の支援を受け開催してきましたが、1996年に日本バーチャルリアリティリアリティ学会(VR学会)が発足して、学術的な側面は学会が責任をもって国際会議が開催できる基盤が整いました。それにともない1997年からは、ICATは、人工現実感とテレイグジスタンス研究委員会と日本経済新聞社の手を離れ、日本バーチャルリアリティ学会が主催するアカデミックな本格的な国際学術会議となりました。その後、Eurographics Symposium on Virtual Environments (EGVE) と連携して、2014からは、ICAT-EGVEとして進展し、今日に至っているのです。

 

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